北東北発 気象予報士&防災士によるブログ。忘れたころに、たま~に更新してます
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ブライトバンドの形状変化と融解層の高度変化
2020年3月2日、国交省のレーダー雨量図”XRAIN”を見ていたら、秋田県北部の鷹巣レーダー局の周辺にドーナツ型のエコーが出ていました。
図1 国交省レーダー雨量図.2020年3月2日 (1)16:11 (2)16:41 (3)17:11.国交省XRAIN GIS版より.
ドーナツ状に降水強度の強い部分があり、時間を経ても雨雲の移動する方向へ動くこともなく、不自然な降水分布です。
これは、広範囲に層状の降水雲があるときに時々みられるもので、ブライトバンドと呼ばれるものです。
アメダスの降水データを見ると、秋田県北部は時間降水量1.5-2.5mmの降水が広範囲で観測されており、局所的に雨が強く降る状況ではありませんでした。
図2 気象庁アメダス降水分布図.2020年3月2日 17:00.気象庁HPより.
上空から降ってくる雪が気温0℃以上の層(融解層)を落下していくときに、一部の雪が解けて雪と雨の混合状態(みぞれ)になります。
この時、雪片のまわりに溶けた水が付着することで、雪片はあたかも直径の大きな雨滴であるかのようなふるまいをし、レーダー局のアンテナから
射出されたマイクロ波を(雨滴だけの場合よりも)強く反射してしまいます。このため、エコー強度が過剰に大きく出てしまうようです。
今回、興味深かった点は、この環状に降水強度の強かった部分が、時間の経過とともに環の中心付近に寄っていき、しまいには中心付近で強いエコーが見られたことです。
気象レーダー観測は、レーダーアンテナから一定の仰角でマイクロ波を射出して降水粒子に当て、そこからの跳ね返り強度を観測していますので
ドーナツ状に見えるブライトバンドの直径が時間を追うごとに小さくなってきたということは、ブライトバンドの高度が低下してきてたことを意味します。
(ブライトバンドが出現している範囲がすべて同じ仰角で観測していることを前提とした場合)
すなわち、融解層の高度は、16時11分から17時11分にかけて低下してきたということが示唆されます。
ここで、レーダービームを射出する観測仰角がわかれば、融解層の高度をおおまかに算出することができるのですが、
観測仰角はHPでは公開されていないみたいなので、ここでは計算していません。
鷹巣の地上気温(アメダス)は、16時から17時にかけて2℃低下(16時6.0℃, 17時4.0℃)していますが、この気温変化は、上述のドーナツエコーの直径の変化から推測された融解層の高度低下と整合します。
鷹巣での地上における降水形態は、16時は雨だったと思われますが、17時はどうだったでしょうか? 地上では雨でも、ちょっとだけ高い場所では雪が混じっていたかもしれません。鷹巣に超高層ビルがあったと仮定すれば、1階では雨、最上階では雪が混じる。そういう状況だった可能性はあります。
ちなみに、お隣の大館市では、17時現在、雨をベースとしながらも雪片がわずかに混じっていました。(融解層が地上に達していました。)
今回17時11分にブライトバンドがレーダー局の中心付近に集まっていましたが、これが消えると地上での降水形態が雪になるというふうに解釈できると思われます。
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by yt-otenki
| 2020-03-06 00:27
| 雪
太陽柱 2019.1.14 朝
雪降りの部分日食 2019.1.6
今日は部分日食。天気は、あいにくの雪模様。雲フィルターで肉眼でも見える感じでした。
下はスマホで撮影。雪片が雰囲気を醸し出しています。
● 9:54 ↓
ところが後半戦、晴れ間が広がってきます。さすが、大館盆地!
秋田県内では大館だけ晴れているじゃないですか!!
●アメダス日照時間分布図 気象庁HPより ↓
ここから本格撮影に入りました。
●10:19 ↓
●動画はこちら ↓
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by yt-otenki
| 2019-01-06 15:16
| 天文
1月6日の日食
1月6日は日食があります。晴れてほしいですね~。
大館樹海ドームでの見え方は下記のとおり。
食の始め:8:44:42
食の最大:10:10:18 (太陽高度24°)
食の終わり:11:43:33
最大食分:0.497(面積比0.378)
上記は、NASAのEclipse Web Site ( https://eclipse.gsfc.nasa.gov/JSEX/JSEX-index.html … ) での計算値です。
国立天文台の日食各地予報のサイト( http://eco.mtk.nao.ac.jp/cgi-bin/koyomi/eclipsex_s.cgi … )でも計算することができます。
下記は、同サイトで1月6日の日食の様子(大館樹海ドームの場合)を動画で出力してみたものです。
見かけ上、太陽が月を追い越す時に、面積比で最大38%重なるようです。
経緯度と標高を入力すると任意の地点の計算ができます。お試しください!
ちなみに、今年は2回日食があります。次は2019.12.26です。
そして来年もあります(2020.6.21)。こう立て続けにあると珍しくないように思えてきますが、
その後10年間はありません。次はなんと2030.6.1で最大食分0.897。かなり欠けます。札幌では金環日食になるようです。
大館での次回の皆既日食は2361.3.8、金環日食は2231.3.5 であることを考えると、
2030年は北海道まで見に行く価値がありそうです。
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by yt-otenki
| 2019-01-03 20:15
| 天文